乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「でもあの男の人、強敵かもよ?強引そうだし…」
「望むところだね、あんなやつに負ける気しねーし」
「めっちゃ強気ー!」
ゲラゲラと笑っている優奈に少しほっとした。
「そっか…。でも、陸もあたしのことで悩んでくれてたんだね」
「かなり悩んだ。仕事が手につかねーくらいな」
「そんなに!?」
「あたりめーだろ。どーやっても、お前を傷つけることになんのがすげー嫌だったんだよ」
再び優奈が柔らかく笑った。
「陸が私の事でそんなに悩んでくれてたなんて…」
「てめー…なに笑ってんだよ?」
「ううん、嬉しかったの」
優奈はなにか吹っ切れたかのようにぐーんと背伸びをした。