乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「…ごめんね。あたし、ヤケになってた。どうしても陸に振り向いてほしくて困らせることばっかりして」
「本当だよな…どんだけ俺に心配させれば気が済むんだよ」
「ごめんなさいっ…」
「今日は送ってくから帰れよ、龍神の事は俺がなんとかすっから」
「大丈夫なの…?」
優奈が心配そうな顔で俺を見上げた。
「あー。俺を誰だと思ってんだよ?」
そう言うと、再び優奈の顔に笑顔が戻った。
「本当にごめんね…陸」
「いいよ、もう。それよりお前はもうちょっと考えて人と付き合えよ。元彼んときも言ったろが」
「うん…気を付ける。陸にそうやって心配してもらえるだけで私は他の人とは違う特別な存在なんだよね?それだけでも…嬉しいかなっ」