乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
同じキモチ
わたし、何やってるんだろう。
なんで優斗パパの胸の中にいるんだろう。
ハッと我に返って、私は優斗パパの胸を強く押した。
「ご、ごめんなさいっ…私…」
「なんで謝るんだよ。俺は全然かまわねぇけど」
「いえ…私帰ります!」
「言っとくけど俺本気だから。あんたとだったら、結婚生活も楽しんじゃないかって何度も思った。だからさ…あんたも一度本気で考えてみてよ」
優斗パパが本気なのは気づいていた。
でも、この人の気持ちには答えられない。
私の中で答えはもう決まっている。
私には陸さんしかいないんだもん。
例え、陸さんが他の人を選んだとしても…
私はずーっと、一生陸さんだけを想って生きていくと思う。