乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「高橋の嫁が見たって」
「え、優斗ママが!?」
全身の血の気が引いた。
さっき優斗ママに会ったけど普通に接してくれていたのに…
「あの嫁、あいつの気持ちにずっと前から気づいてるぞ」
「そ…そんな…」
「次の日偶然嫁に会ってそれ言われてさ。俺も高橋に言いたいことあったし。近々ケリつけようと思ってた」
「陸さん知ってたんだね…」
「ああ。それでさっき栞に奈緒が高橋んちに行ったって聞いて嫌な予感がして飛んできたんだよ」
「ごめんなさい陸さん…」
私は深々と頭を下げた。
心配させないようにとしてきたことだったのに、結果的に陸さんに悲しい思いをさせてしまった。