乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
わたし…最悪だね…
泣きそうになった私を、陸さんが抱きしめた。
「謝らなくていい。今回は俺が悪いし」
「でも…」
「お前が辛い思いしてるっつーのに、気づかなかった俺って最低だよな」
私は陸さんの腕の中で、首を横に振った。
「正直にいうと…この前優奈に告られた」
ズキンと胸が痛んだ。
優奈ちゃん、陸さんに言ったんだ…
「俺は全く優奈に対して恋愛感情はねぇけど、あいつのことは本当の妹みたいに思ってたんだよ。だからあいつを傷つけるのが怖くてさ。…だけど、奈緒が辛い思いしてたの知ってたらハッキリ言ってたかもしんねーな」
「そんな…優奈ちゃんは陸さんを本気で好きだったし、好かれようと努力もしてたんだよ?」
「お前…優奈を応援してんのかよ?」
陸さんがフッと笑った。