乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「違うけど…私は優奈ちゃんが陸さんを本気だってことにずっと前から気づいてたし…」
「ホントお人よしっつーか…気づいてたなら言えよなー?」
「言えるわけないじゃん!…それに、優奈ちゃん若いし綺麗だし、優奈ちゃんの気持ちを知って心変わりしたらどうしようって思ってさ…言えなかったの」
陸さんが抱きしめる力を強めた。
「そんなこと…ぜってーーーーありえねぇから!マジで俺って信用ないのな!」
「陸さんの事は信用してるよ!…でも…相手が相手だから…」
「お前は自分に自信なさすぎ!そこは昔と全然かわんねぇよな。奈緒以上の女はどこ探しても絶対現れねーし。それは約束する」
「陸さん…」
「だから優奈にも花火大会の日にちゃんと言ってきたし。奈緒の事は絶対手放したくねぇからって」