乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
数日後の朝、子供たちをバスに乗せて見送った後、優斗ママをお茶に誘った。
歩いてすぐの場所にある、コーヒー専門店。
平日で朝も早いせいか、客も少なくゆっくり話すのには最高の場所だった。
店内に入るとコーヒーのいい香りが鼻をかすめる。
優斗ママは今日も普通に接してくれていて、本当にあの事を知っているのか疑問に思う。
私と優斗ママは注文をすませて窓際の席に座った。
急にドキドキしてきた。
なんて切り出したらいいんだろう…
アイスコーヒーを一口すすったところで、優斗ママが口を開いた。
「話って…うちの主人のことでしょ?」
「え!!あ…は、はい」
的を得たことを突然言われ、吹き出しそうになった。
優斗ママ、やっぱりわかっていたんだ…