乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「ごめんなさいね、迷惑かけちゃって」
「え!?」
まさか謝られるなんて想像もしていなかった。
きっと怒鳴られたりするんだろうなって覚悟していたのに…
「知ってのとおり、私達ずっとうまくいってなかったの」
「…2人はまだちゃんと話し合ってないんですよね?」
「話し合うも何も…もう2人の間になにも気持ちはないのよ。お互い冷めきっているの。優斗が産まれたときはそんなことはなかったんだけどね…全部、私が悪いのよ」
優斗ママが少し悲しそうに笑った。
「恥ずかしいけど、私ってすぐに他の家族と比べちゃったりして。何度もそれで雅人と喧嘩したわ。雅人が夜の仕事をしていたのは知っていたんでしょう?」