乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
悲しそうに笑う優斗ママを見ると、胸が締め付けられた。
もうどうしようもないことなのかな…
「私は彼じゃだめなんだと思った。でも…もう他の人と結婚する気もないわ。きっとまたいつかその上をみちゃうと思うから…こういう女は一生一人でいた方がいいのよ」
「本当に…それでいいんですか?」
優斗ママはゆっくりと頷いた。
「ずっと優斗のために頑張ってきたし、我慢してきた。もう私も雅人も限界なのよね」
そういう幸せもあるのだろうか。
私には全くわからない。
でも…2人が本当にそれでいいのなら私はなにも口出しできない。
なんだか帰り道は悲しくなって足取りが重くなった。
そして事務所に着いて陸さんに会った途端、涙が溢れてきた。