乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
事務所には陸さんしかいなかったし、私も気が緩んだのかもしれない。
陸さんは驚いて私に駆け寄ってきてくれた。
「どうした!?」
「今…優斗君ママに会って話してきたの…あの2人離婚するって…それでいいんだって。本当なのかな…本当にそれで幸せになれるのかな!?」
大粒の涙を流す私の事を、陸さんはぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
「あいつらがよく考えて出した答えだろ?…俺らは見守るしかねーじゃん」
「……うん。でも優斗君もかわいそうで…」
「ああ…子供に罪はないからな…例え離婚しても、俺らは優斗のこと、ちゃんと支えてやろう。蒼空の大事なダチだしな」
優斗君の事を思ったら、涙が止まらなかった。
明るくてやんちゃで、友達思いの優しい優斗君。
あの子の小さい心が傷ついてしまう。
そう思ったら胸が痛くてたまらなかった。