乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「杉田さんのこと覚えてる?その人がうちの事務所で話した時…なにか約束した?」
優奈ちゃんの顔色が突然変わった。
そしてしばらく沈黙が続いた後、ゆっくり頷いた。
「はい……実はずっと言えなかったことがあるんです。私あの時…杉田さんと一夜を過ごすかわりに契約してくださいって頼んじゃったんです…」
「やっぱりそうだったんだ…杉田さんにもそう言われたの。でも私は優奈ちゃんがそんなことするはずないって信じてたんだよ?」
再び頭を下げる優奈ちゃん。
「ご、ごめんなさいっ…陸の役に立ちたくて…。でもいざその日になったら恐くなっちゃって…奈緒さんに迷惑かけてすみませんっ!!!」
「うん…私の事は大丈夫。優奈ちゃんの気持ちもすごくわかるから…。でも、軽はずみにそんな約束をしては絶対ダメ。もっと自分を大事にして?陸さんだってそんなことして契約取れても全然嬉しくないはずだよ」