乱華～羽をくれた君～Ⅲ【完】

私は少し怒り口調で優奈ちゃんに言った。




彼女は下を向いたまま、口を真一文字にしているようだった。





「もう二度とそんなことしないでね？優奈ちゃんは素敵な女の子なんだから。自分を安売りしてほしくないの」




「はい……」




「顔上げて？」




優奈ちゃんは申し訳なさそうに顔を上げると、苦笑いを見せた。






「やっぱり…私は奈緒さんに敵わないです」





「え？」





「陸、見る目あるなぁ…こんな人、他にいないよ。ライバルのこと心配してちゃんと叱ってくれるんだから…」





「そんな…私は優奈ちゃんの事が本当に心配で…」





「わかってます…奈緒さんはそういう人だって。最初から敵わない相手だったんですよね」