乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「あー、でもあいつ頭いいから、結構奈緒の役に立つと思うよ?」
「そうなの!?」
聞けば優奈ちゃんは、この辺ではかなりレベルの高い高校に通っていた。
す、すごすぎる。
才色兼備とはまさにあの子の事を言うんだ…
「そんなことより」
陸さんが立ち上がって私の席の方に歩いてきた。
「え?なんか私またミスした!?」
「いや。ちがくて」
私の後ろに来ると、ぎゅっと後ろから抱きしめられた。
「陸さん!?…ここ事務所」
「わかってるけど」
「どうしたの急に!?」
頭の中がパニックになる。
「ちょっと休ませろよ」
陸さんの抱きしめる力は弱まらず、次第に強くなっていく。