乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
陸さんはあまり怒ることもない。
そのせいか、蒼空はパパっこだ。
陸さんってば、いつも美味しいところだけ持っていくんだもんねぇ…
「でも早く着替えないと幼稚園バスくるぞ?」
陸さんのその言葉に私もバッと時計を見る。
は、8時だーーーーーー!
「陸さん!そこにある服、蒼空に着せて!!」
私は蒼空の幼稚園バッグにお弁当を突っ込んで、蒼空を抱き上げた。
「ちょっと唯の事よろしくね!?」
家を飛び出すと、一目散にバスが迎えに来る場所まで走った。
幸い、まだバスは来ていないようで、近くに蒼空と同じ組のママたちがおしゃべりしていた。
間に合った…
私は息を切らしながら歩いた。