乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
波乱の幕開けのBBQ
良く晴れた6月の土曜日。
ママ友2人に誘われたキャンプの日がやってきた。
梅雨に入ってたけど、晴れてよかった。
旅行バッグに子供たちの着替えなどを詰めて…
あっちに着いたらお昼だからって、ママ友たちにお弁当も作って持っていこうと言われていた。
「ママーまだぁ!?」
二階で準備していると、玄関から蒼空が叫んだ。
時計を見るともう出発しなきゃいけない時間。
「やば!急がなきゃっ!」
私は慌てて階段を下りた。
玄関にいくと蒼空と唯が待ちくたびれたような顔をしている。
そして陸さんも。
「おせーし。用意なら昨日のうちにしとけよ」
「いや、昨日のうちに準備したんだけどね、心配で色々確認しちゃってて」
「なんか忘れもんあったらあっちで買えばいーだろ?」
陸さんは私が持っていた重いボストンバッグを、ひょいと軽そうに持ち上げた。