乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
2人は私の声など聞こえていないようだ。
「もぉ…」
車から降りると、渉ママと優斗ママも自分たちの車から降りてきた。
「おはよう桐谷さん」
「あっ、おはようございます!遅れてすみませんでした」
優斗ママは「いいのよ~」と言って、うちの車の運転席の方へ行った。
そして満面の笑みで
「おはようございますぅっ」
と、陸さんに挨拶していた。
優斗ママも渉ママも今日はすごくメイクが濃いような…
私は旅行準備の確認に追われていたからメイクも半分だけど…。
ファンデくらいしか塗ってない。
車から降りた陸さんもにこやかに「今日はよろしくお願いします」と挨拶していた。