乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
感じよくしてくれるのはありがたいけどさ…
そんなにニコニコしなくていいのに。
ちょっとムッとしちゃった。
昔はクールで他人の前ではムスっとしていた陸さんが、こんなにも変わるなんてね…
「初めまして、よろしくお願いします」
その声に振り返ると、そこには中年の男性がいた。
「私達も紹介させてね」と、渉ママが旦那さんを紹介してくれた。
A不動産に勤めていて、高収入だって言ってた自慢の旦那さんか…
渉ママより10個も年上って聞いてたけど…
渉ママが確か30才だから旦那さんは40才かな?
決してかっこよくてオシャレって感じではないけど、優しくて感じがよさそうな男性だった。
「じゃあ、うちも紹介しとこうかな…」
優斗ママもそう言って、遠くで煙草をふかしていた男性を手招きする。
優斗ママの旦那さんかな…?