乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「あー疲れたぁ…」
優奈ちゃんはそう言ってお盆をデスクに置き、ぐーんと背伸びした。
「優奈、でかした。助かったわ」
「アハハっ。でしょでしょ?頑張ったでしょ?」
「ああ。オレ一人じゃ無理だったかもな」
「そういう時は、まかせなさいってー!」
「生意気」
陸さんは笑って優奈ちゃんの頭をわしゃわしゃと撫でた。
それを見て、胸がズキンと痛む。
ああー。
私ってば…また嫉妬なんかして。
自分の仕事に集中しよ…
しかし、目はパソコンを見ているけど耳はダンボになってしまっている。
「ね、だから時給アップしてよー?あたしだいぶこの会社に貢献してると思うんだけどなぁ」