乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「優奈ちゃん。契約うまくいったみたいだね」
「はいっ!杉田さん、なかなかウンて言わなくてー…」
「どうやって“ウン”て言わせたの?」
「ちょっと色仕掛けしたんですっ」
「え?色仕掛け?」
「陸が応接間から席を外した隙に…杉田さんの手をちょっと握ってあげたんです。気持ち悪くて吐きそうでしたけど…」
優奈ちゃんが苦笑いした。
「そ、そうなんだ…」
私には絶対できないことだな…
だから杉田さん、あんなに喜んでいたんだ…。
でも、どうしてそこまでして頑張るんだろう。
「奈緒さん、もうお昼ですよね、どっか食べに行きません?」
「うん、いいよ」
私は優奈ちゃんと近くのカフェに行くことにした。