乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「奈緒は真逆だもんな」
「え!?」
「要領悪くて世渡り下手」
「なにそれ!」
私が気にしていることをすんなり口にしちゃうんだもんな、この人は…。
「でも、だから良いんだよ奈緒は」
陸さんが私の肩を抱き寄せた。
「よくないよ…要領悪いなんて…」
「だから奈緒はオレがいなきゃだめじゃん?」
「う、うん…」
ほんと…
私は陸さんがいないとダメな女だ…
ダメダメ女だ…
「それでいーんだよ。オレに守られてろ」
「陸さん…」
私の肩を抱き寄せる力が強くなっていく。
あと数センチで唇が重なり合おうとしたとき…
「ママァー…」
蒼空が起きてきた。
どーーーーーーーーーーーん!
私は陸さんを突き飛ばした。