乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
2人で公園へ行くと、すでに優斗君がブランコで遊んでいた。
蒼空は走って優斗君の元へと行ってしまった。
幼稚園で散々遊んできたくせに子供って元気だよなぁ…
近くにあるベンチに座ろうとしたとき、ドキッとした。
そこには優斗パパの姿があったから。
スマホに見入っててこちらには気づいていない様子。
今日って平日だよね…
仕事じゃないのかな?
近くには優斗ママの姿はない。
優斗パパとは二人きりで話さないようにしようと思ったけど…
この状況で挨拶しないのもおかしいよね…
「こ、こんにちは…」
私は恐る恐る声を掛けた。
優斗パパは顔を上げ、私の顔を見るとぺこっと頭を下げた。
そしてまた視線をスマホに戻した。