乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
私は少し間をあけて隣に座った。
「あの…、優斗君ママは?」
私の問いかけに、優斗パパは面倒くさそうに「家」とだけ答えた。
なんか腹立つ。
この前は馴れ馴れしく話しかけてきたくせに。
まぁいいんだけどね別にっ。
「優斗君パパって平日も休みなんですね?営業だから忙しいのかと思ってたけど…」
「は?」
優斗パパが目線だけ私に向ける。
「えっと、だから営業って平日も仕事なのかと…」
「営業じゃねぇけど」
「え?」
嘘っ!
優斗ママ、前に旦那さんは有名企業の営業やってるって言ってたのに…
「オレ、バーで働いてんだけど。営業やってるってうちの嫁が言ってた?」