乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
どうしよう。
確かに営業やってるって言ってたんだけど…
私が返答に困っていると、優斗パパがフッと笑った。
「あ…あの…」
「いいよ。あいつが言いそうなことだもんな」
「え?」
「嘘だからそれ。あいつが見え張って言った事だから」
「そ、そうなんですか…」
「結構こういうことあるんだよね、オレがバーで働いてるって言いたくねーんだろうな。あいつにとっては恥じだと思ってるんだろうし」
「そんなことないんじゃ…」
「別にいーんだけどね、でもこうやってバレた時の方が恥だよな」
優斗パパは笑っていたけど、私は笑えない。
どんな仕事でも一生懸命働いてるのに…
優斗ママはどうして嘘つくんだろう。
そこまでして何を得たいんだろう。