乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「あたし御手洗いに行ってきますね」
優奈ちゃんが席を立った時。
杉田さんが私の顔をちらりと見た。
「この後、飲み直さないかね?」
「…え?私とですか?」
「ああ。優奈ちゃんと二人っきりにさせたくないから君はここに来たんだろ?さすがに女子高生とは飲めないからな。代わりに君でいいよ」
杉田さんにはバレてたか…
でもこれ以上優奈ちゃんを危険な目に合わせたくないし…
「わかりました、いいですよ」
「話がわかる子でよかったよ」
何を考えているのかわからないけど…
もう優奈ちゃんを誘ったりしないように注意しとかなきゃ。
優奈ちゃんを駅に送った後、私は再び杉田さんとバーへ向かった。
帰り際、優奈ちゃんが私の事を心配してくれていたけど…
大丈夫だと笑顔で言って、安心させた。