乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
そこのバーは、杉田さんがよく行くお店らしい。
店に入るとき、腰に手を添えられてゾッとしたけど…
こんなので怖気付いていられない。
「なんでも好きな物を頼むといい」
杉田さんは私にお酒のメニューを渡してきた。
「いらっしゃいませ」
その時…
聞き覚えのある声がした。
顔を上げるとそこにはバーテンダーの格好をした、優斗パパがいた。
私は声が出ないほど驚いてしまって。
優斗パパも一瞬驚いた表情をしたけど、すぐに元の顔に戻った。
優斗パパが働いている店って…ここだったんだ!
偶然の出来事に、頭が混乱してしまう。
「雅人君、私はいつもので」
「かしこまりました」
杉田さん、優斗パパと仲良いのかな…
そうだよね、常連だって言ってたし…