乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
隣を見ると、優斗パパも息を切らしている。
「…あんたも…人信用しすぎ…」
ハァハァ言いながら笑っている。
「だ…だって…」
「俺が行かなかったら、あのままホテル行きだったんだぞ?」
「わ、わかってますっ…」
杉田さんに掴まれていた手の感触が今でも残っている。
もし優斗パパが来なかったら…
本当はすごく恐かった。
本当は逃げたかった。
でも…
どうにか話をして和解したかったの。
やっぱり仕事の事を考えると大事な人だったから。
「でも…優斗君パパだって殴らなくても良かったんじゃ…」
「ついな…あのおっさんには前々からムカついてたから、なんか殴りたくなって」
余裕の表情で笑っている。
あの店の常連さんなのに…大丈夫なのかな…