乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】


隣を見ると、優斗パパも息を切らしている。



「…あんたも…人信用しすぎ…」



ハァハァ言いながら笑っている。




「だ…だって…」



「俺が行かなかったら、あのままホテル行きだったんだぞ?」



「わ、わかってますっ…」




杉田さんに掴まれていた手の感触が今でも残っている。



もし優斗パパが来なかったら…



本当はすごく恐かった。



本当は逃げたかった。




でも…



どうにか話をして和解したかったの。




やっぱり仕事の事を考えると大事な人だったから。




「でも…優斗君パパだって殴らなくても良かったんじゃ…」




「ついな…あのおっさんには前々からムカついてたから、なんか殴りたくなって」




余裕の表情で笑っている。



あの店の常連さんなのに…大丈夫なのかな…



< 99 / 263 >

この作品をシェア

pagetop