Calender_Girl

泣きながら、彼女はそれでも

礼を述べた。

ここの事は忘れません、初めてだったから。と。

テーブルを挟んで僕の向かい側に居たが
俯いたまま、涙を拭い続けていた。


何か、言いたい事は他に?と
和くんは、彼女にコメントを求めた。

すこし沈黙。


...いいえ、ありません。とかすれ声で彼女はそう答えた。
その彼女がとても愛おしく思えた。
なぜ、そう感じるのか分からない程強い感覚だった。
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