Calender_Girl
隣に男の子が座っていたとしても、そう言っただろう。
コンピューター・ルームは寒いのだ。


その子は、硬い表情で、すこし驚いたように僕を見て

静かに「....いえ....だいじょうぶです」と、かぶりを振った。


切りそろえられた断髪がさらりと揺れ、
眼鏡の奥で、驚いていたような瞳にすこし、和らぎムードが見えた。



でも、その時の事は、あまり印象が無かったのか
いままで、思い出せずにいた。


女の子なのに、飾り気がなく
地味なズボンを履いて、制服のジャンパーを羽織っていたから
本当に、雰囲気の中に消え入ってしまうような、そんな感じだった。


明るい陽射しきらめく5月のことだった。

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