Calender_Girl


ほとんど書類の棒読みで終わる会議だ。

僕は、ふと、窓の外の方を見ようとすると
皆、俯いて書類を読む振りをしているのに

ひとりだけ、顔を上げてこちらをみている彼女に気づく。
薔薇色の微笑み、輝く瞳。

神々しいような美、を感じた。大袈裟なようだが、実感である。

光学的な実像に、幻想的なイメージが彩りを与え
やや耽美な修飾を与えた、と云う感じで
幼い気な少女、ではなく
大人の女性、を思わせた。




じっと、そうして見ていたのだろうか。 いつから?


気づかないうちに、そういう視線で見ていたの?

訳がわからなくなったが、とりあえず僕も微笑みを返した。
なぜか、は、解らない。反射的にそうした、としか言い様が無い。


視線が反らせなくなり、苦しくなって僕は瞳を閉じた。
< 120 / 202 >

この作品をシェア

pagetop