Calender_Girl
実験室のプログラムがそろそろ終わる頃だな、と
僕は、第二実験室に行こう、と思った。
第二実験室に向かう。金曜日の19時近く。
でも、まだ研究室の夜は始まったばかりだ。
皆、賑やかに議論を続けている。
第二実験室に向かう廊下に出る。
目的のドアから、パール・ホワイトのダウンパーカーを羽織った
彼女が出てきて、僕はどっきりとした。
もう帰ったとばかり思っていたからだ。
立ち止まってしまった僕を見て、彼女は
笑顔と、緊張、それと淋しさが混じったような
複雑な表情をした。
昼間の神々しい笑顔とは、ちょっと違っていた。