Calender_Girl
3月3日。
いつもと同じようにオフィースに出る。
彼女の居たルームに行っても、もう、彼女は居ない。
廊下で、似た背格好の子を見かけると、ドキっとする。
でも....もう、忘れなくては、ならない。
音楽はこれからも、僕を忘却させてくれるだろう。
僕が、解放されるその日まで。
4月....
でも、音楽に逃避しているかと言うと
それは違う。
例えば、恋している時でも、僕の中は音が満ちている。
ハッピーな音、ラブリーな音。
だから、妙に闘争的にならないで済むのだろう、と思う。
それで、よく冷たい人間だ、と言われるのだが...
何が悪いと言う訳でもなく、ただ、音のイメージを越えられるだけの
存在に出会えなかっただけだろう、と僕は思っている。
...3月2日の予感は当たり
それ以降、その子との連絡は途絶えたから
次第に、思い出すことも無くなってきて。
ごくふつうの日常に戻れてきた。
そこに至るまでに痛みも当然存在した。
それで、こんなものを書き始めたりして
.........新しい出会いもあったりもする。
そうして、時が過ぎ去って....今では、この事も
大切な思い出のひとつになりつつある。
僕は愚かな人間だから、こうして一つずつ
生きていく事を覚えていくのだろうと思う。
どこで、どうしているのか知らないが
その子が、今は幸せにしているといいな、と願う。
たぶん、そうしているのだろうけれど。