Calender_Girl


すこし、風に秋の香りを感じる頃。
灼けるような陽ざしも和らいでくると、そろそろ9月が近づいてくる。



僕も、内心少しだけ怖かったのは
ひょっとして、その子のことを好きになってしまってはいないだろうか?と言う事だった。

なぜ困るのかと言われても、返答に窮する。けれども
たとえば年が離れている、とか、いろいろ理由は見つかるものの
なんとなく後追いで理由を付けているような気もしていた。


たぶん、自分は愛他的な性格なので
対象足り得る人を選ぶには慎重だ、と言う事もあるのだろうと思っていた。
その人を、若し突然喪失してしまったら.....と、思うとそれが怖かったのかもしれない。



とはいえ、普通はそういう風に恋するとすれば
その人の事が気になって、そばに居たい、会いたい....と思う(のだろうと思う)。
自分の場合は、割とそういう点が希薄なので
どちらかというと、心が通い合っていれば、会っていなくても割と平気なタイプだった。
それでよく冷たい人だ、とか言われたりするのだけれども.....




それでも,時々廊下で彼女とばったりあったりすると
僕は、なんとなく自然ににっこり、してしまったりする。
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