Calender_Girl
.....そういえば。
なんとなく、思い当たるな、と思った。
前に話した、コンビニエント・ストアでバイト仲間だった子たちのうち
ゆりちゃん(当時17)も、そんな感じだったな、と
僕はなつかしく思い出していた。
ゆりちゃんも、最初はぎこちなく余所余所しい感じの子だったけれど
僕の方から話しかけるようにして。
しばらくすると、仲間のようになって。
可愛らしい表情を見せるようになったんだっけ。
僕は男だから、いつもそんなに防御的になる事も無い。
ふつうに、思った事を話すだけだ。
だけど.....
昔とちがって、大人が年若い子を守ろうとしない昨今は
やっぱり、みんな防御的にならざるを得ないんだろな。なんて....
僕は、会話の途中で物思いに耽ってしまって。
気づくと、眼鏡越しの彼女が不思議な顔をして僕を見ていた。
「あ、そうそう,僕は熊本にはね,結局行かなかったんだ。
僕がね、いづみチャンの彼にね、ひとこと言ったの。電話で。
そしたらね、あっさりと....。」
「そう、よかった。」と、艶のある黒い髪、でも,素っ気無い感じの断髪を
撫でながら、彼女はにっこりと、真っ直ぐ僕を見た。
....最近、こういう風に真っ直ぐ見る子も少ないなぁ.....。
なんて、僕もにこにこしながら彼女を見た。