Calender_Girl


もちろん彼女も、すごーい、なんて言って笑顔で僕を見た。
僕も、にこにこしながら彼女を見た。




その視線をどう見たのか、リーダーの和くんはその話題を彼女に振った。

彼女は、突然困ったような顔をして
「そうですね....今年は....1日に1回は包丁を握ろうか、と思っています。」

料理が全くダメだ、と前から言っていたので
少しは家庭的になろう、と言う事なのだろう。
その変化を、僕は好ましいと思った。
安定した情緒が、彼女を愛らしくしていく......。




ただ、このMLメンバーのみんなが特別な人達だと思えなかったし
MLメンバー以外の研究者にも、秀でた研究者は多かった。
でも、秀でた研究者だからと言って、皆度量が大きいか?と言うと
そうでもないようだった。

だから、それは、やっぱりその子が愛らしい存在になった事で
皆の心に、優しさを思い起こさせた、と云う事だと思う。

そして、僕は思う。この子以外にも、女の子の研究者は居たし
誰でも、偶然ここに居たから、この子のようになれるか?と言うと
そんなこともないだろう、と思った。

それはやっぱり、性格、もあるだろうし
相性のようなものもあるだろう、と思う。


話しは遡るが、僕がこのオフィースと契約をした時、2年前の5月だったが
そこで、ここのオフィース全体で歓迎会をします、と誘われた事があった。
僕は単なる契約関係、フリーランスだから、と丁重にお断りをしたのだが
幹事さんが若い女性で...なぜか、とても強力に誘うので
仕方無く、付いて行く事にした事があった。
今、僕の大切なお友達になっている彼女も、無論参加していた筈だが
彼女については微かな記憶しか残っていない...。
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