Calender_Girl
でも,相変わらず落語のような話をして、皆を笑わせる僕だった。
その子も笑顔になってくれたので、罪亡ぼしのような感じで。





死に至る病は、心にも存在する。などと言うとキュルケゴールのようだが....
今でこそ「年の差カップル」なんて言われて、フツーになっている年齢差だけれど
ちょっと前はそうでもなかった、と言う....僕の友人だった男の事を思い出さざるを得ない僕だ。

僕は19歳の頃、コンビニエント・ストアでアルバイトしていた。
バイト仲間に、33歳の小説家志望の男が居た。
彼は背がすらりと高く、いかにも人の良さそうな男で、およそ小説などを書くような男には見えなかった。

(アーサー・ヤノフの「原初からの叫び」を貸してくれたのが彼である。以来、僕は分析とか解析に凝る事となり...
果てが今、解析を仕事としている。解らないものだ)。


それはともかく。

この男が、とある女の子に恋をした。でも.....
その子は17歳。

同じ店でのバイト仲間だった。

今なら大した事ではないが、その頃の田舎町ではこれが結構顰蹙ものだった。
そして、その女の子の父親は激怒し(ま、僕が父親でも怒るかもしれない)。
彼を拒絶した。


困った事に、その女の子も彼を好きだった。



当然のように、密会を重ねるようになる。
まあ、17歳の女の子だから....なんとなく感じは解るけれど。

そして、父親の気持ちもわかる。その男の気持ちもよくわかる。

誰も悪い訳ではない。ただ、巡り合せが悪かっただけだ。



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