Calender_Girl

でも、僕は、それじゃぁ肩凝るだろう、と思って「いいねぇ,女の子らしくて」と
にこにこしながら言った。

彼女は、付箋を貼る手を止めて僕を見る。


その付箋が、すこし開けられた窓から流れてくる高原の風に揺られて
さらさら、とふるえた。


「....(付箋が)....綺麗だね、とっても....。」そう言うと、彼女は


なんか俯いてしまった。手は止まったまま....。


何?どうしたの?と僕は思った。


あ...ひょっとして.....



「....(キミが)....綺麗だね、とっても....。」


と、言ったと思われたのかな(笑)。流石に僕も恥かしくなって
その部屋を出た。



遠くのライティング・デスクの方で、MLグループのみんな、特に和くんとかは

「またやってるよ」とでも言いたそうな顔で僕らを見ていたので
(こないだの「九州の子」の話しの後だし)、なーんか困った展開だなぁ、と
僕は思って。でも、なんとなく華やいだような、暖かいような気持ちで廊下を
足早に歩いていった。

いつもなら、のんびりと歩いていくのだけれど。


大好きなリチャード・ティーがリードを取る「My Sweetness/Stuff」のイントロダクションの
ようなサウンドが僕のイメージ・フィールドにひろがった。

ふわふわ、とした音空間に、メタリックな響きがピン・ポイントで。



あ、My Swetnessって言っても、そういう意味じゃないですからネ(笑)。
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