Calender_Girl
「なんか、したい仕事とかある?」と僕。
その子は、はっきりとした声で
「プログラムの仕事がしたい」と.....
いつものように、ミーティングの前の5分間。
偶然(?)会った僕等は、そんな風に話をした。
彼女たちのプロジェクトが、奇妙なかたちで
僕のところへ来て。
結局、彼女たちグループの仕事が無くなった。
それで、彼女は僕と同じフリーランスなので
将来の話とか、そういう話題になったのだろうと思う。
もちろん、この時には
次のプロジェクトが始まるだろうと甘い予測を皆、していた。
だから、みんな、のんびりと「束の間の休息」を楽しんでいた。
僕以外は。
もともと彼女は情報処理が専門だと言う事だった。
......あれ?
僕は初めて会った頃の事を思い出した。
よく「パソコンが壊れた」とか....言ってたけど。
情報処理ってそういう事習わないのかなあ、なんて思ったけど
例によって、僕は深く考えるのは苦手だ(笑)。
あまりに真っ直ぐ僕を見るので、ちょっとどぎまぎしてしまう僕だったけれど
.....この頃、しっかりしてきたのかな。
そんな風に思って、その変化を好ましいと思っていたが
反面、どこか淋しいような気もしていた。
.....娘が成長する父親の心境かな(笑)なんて
娘もいないのに、僕はそう思った。
もともと僕は懐古的なところがあるので、そのせいだろうとも思った。
「ソフトならフリーで結構あるよ」と
僕は以前、付き合いのあったフリーエンジニアたちの話や
ユニオンに属せば結構仕事が回る、なんて話をした。
彼女は、若々しい好奇心と向上心を持って、瞳を輝かせているように見えた。
透き通るような白い頬に、ほんのりと赤みがさしている。
微笑みを絶やさずに....。
.....なんとなく。
いままでの彼女とは違う雰囲気が感じ取れ、僕は戸惑った。