偏食系男子のススメ【完】




あ、そういえば川端さんもストーカーみたいなもんだった。


思い出してゾッとする。とりあえず逃げよう。




「……あっち向いてほおおおい!」


「え?」




後方の適当な方向を指して言えば、二人は一斉に振り返る。



しめた。と、その隙に全速力で走って、家に帰った。




***




――次の日、登校すれば私の机の上は大変カオスな状態になっていた。




「……何これ」


「おはよう藤島。気に入った?」




呆然とする私を満足そうに見詰めて、早川は微笑む。


お前の仕業か。わかってたけどな!



机が薔薇の花でデコレーションされている。しかも多分本物の花。なんか香ってくるし。



赤と白が交互に並べられて、中心には私の似顔絵のつもりなのか知らないけれど軽くウェーブのかかった黒髪をなびかせている女の子の絵が描かれていた。無駄に上手い。


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