偏食系男子のススメ【完】



















「――そういうわけだから翔(カケル)くん、ペットの管理はちゃんとしてくれなきゃ困るよ」


「……悪かったな、迷惑かけて」


「ほんとだよ。ただいるだけでもウザいのにこっちに害を与えてくるんだから勘弁してほしい」




1時間目終了後、再び私の元に現れた川端さんに痺れを切らし、その首根っこを掴んで彼女の保護者のいる隣のクラスへ。



黒髪を程よく遊ばせ、切れ長の目と滅多に口角の上がらない薄い唇が、川端さんを見て無愛想な表情の彼に溜息を吐かせた。



五月蠅い川端さんに対して、その幼馴染だという翔くんの雰囲気はとても落ち着いていて、私は割とこの人が嫌いじゃない。



あと川端さん押し付けられるし。責任持って面倒見てくれるし。




「ひどーい! きらりは翔ちゃんのペットじゃないよお!」




唇を尖らせて、翔くんの腕をポカポカ叩く川端さんは、多分傍から見る人の目には、すごく可愛く映ることだろう。


その唇引っこ抜くぞ。


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