偏食系男子のススメ【完】




……ああもう。いらっとくるな。


どうしてこんな奴のために、私は緊張なんかしてるんだろう。バカじゃないのか。




「……色々、……ど、……どー」


「――あーっ! こんなとこにいた……っ!」


「……は?」




どーも。の一言さえも言えずに、出かかった言葉は喉の奥に引っ込んで行ってしまった。



……なんかデジャヴ。


大声のした方向に顔を上げれば、教室の扉のところからこっちを鬼の形相で見ているボス猿と目が合う。



……なんで学祭当日まで追いかけまわしてくるんだこいつは。


私のストーカーか、とうんざり眉を顰めれば、彼女は小走りで私たちのすぐそばまで来て止まった。




「何サボってんのよ実行委員! もうすぐ劇始まるんだから、準備手伝いなさいよ!?」


「……劇?」




ハッとして時計を見上げれば、集合時間より20分も経っている。


……あらー。すっかり忘れてた。亜希ちゃんったらドジっ子なんだから。


ていうか、ステージ進行が予定通り進んでいたなら、もう少しで始まるんじゃないの?


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