偏食系男子のススメ【完】
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「川端きらり! 高校2年生! 今が! 人生の! 絶頂期! です! よっ! あとは下っていくだけ! ひゅーひゅー!」
「……」
「ついにあーちんに! 大親友認定! されて! しまいました! おはようからおやすみまで! あーちんの生活を見守りたい! 気分! です! へいへーい!」
「ねえ何であんた当たり前のようにうちのクラスにいるの?」
教室に戻れば、そのど真ん中で誰に向けてでもない演説をしていた川端さんにドン引きながら、自分のクラスの片づけはどうしたのよ、と眉を顰めた。
すっごい気持ち悪いこと言ってた気がしたんだけど気のせいかな気のせいじゃねーよふざけんな。
まさか私がいない間にもそんな風におかしなテンションのまま一人で喋り続けていたのだろうか。私の名前を連呼しながら? ……だとしたらいっそ死にたい。
もう学校祭は終わったというのに、今日そんなに元気なのは川端さんくらいだ。
ていうかあとは下っていくだけって自分でも分かってるくせに何でそんな嬉しそうなの。頭沸いてんのか。
幸い片付けは、教室に置いていた劇の道具を元の自分たちのクラスに運ぶだけだからすぐに済みそうで、
彼女の存在が特別邪魔になっているっていうわけではなさそうなのがよかったけど。
……ボス猿が遠巻きに私を同情した目で見てくるのがムカつく。嫌だ何これ。