偏食系男子のススメ【完】
英語を使えるワタシかっこいいとでも思ってるのだろうが、これだからバカは困る……!
飛び出た私の低い声に、きゃーっと可愛らしい悲鳴を上げてわたわたテンパる川端さんを横目に溜息を吐いた。
「……その話ならもう決着ついたから、川端さんが気にすることない」
「……ふぇっ!? いつの間に……」
「さっき」
「えっ、さっき……!?」
……ああそういえば、川端さんと喧嘩したきっかけって、……今よく思い返してみれば翔くんのことだったのかもしれない。
……えー。うん、そうじゃん。そうだ。そうだった、翔くんだ。
だから川端さんめちゃくちゃ気まずそうで、私と目を合わせないのか。
「……川端さんて」
「え?」
「翔くんのこと好きだったの?」
「……へ?」
訊けば、キョトンとして首を傾げた彼女の白い肌が、見る見るうちに赤みを帯びて行く。
林檎なら収穫時だ。誰か捥いでやってください。私はいらないけど!
……ていうか分かりやすいなあ。