偏食系男子のススメ【完】
眉を顰めたところで、注文しておいたパンケーキとコーラが運ばれてきて、ちょっとテンションが上がって眉間の皺は自然と消えた。
食べるの大好き。
「あーちん、あんなの見たあとでよく食べられるね……」
「確かに自分でも異常だなって思う。あの川端さんのキモイ顔を1時間半眺め続けてたのに私すごい」
「え!? 何それ!」
可愛らしく顔を真っ赤に染めた川端さんは、飲んでいたいちごミルクを喉に詰まらせたみたいでむせ返った。
はいはい可愛い可愛い。と、ちょっと捻くれた目で彼女に侮蔑の念を送っておく。
早川の顔面にでも盛大に吹き出してくれれば好感も持てるというのに、可愛い子が可愛い仕草をするのってなんか女子的にはムカつくのだ。
川端さんだからかもしんないけど。
「……俺も藤島のことずっと見てたけどね」
「死ね」
何故か張り合ってきた早川に暴言を浴びせて、店で一番人気だというパンケーキを頬張った。
美味しい、何皿でもいけそう。
可愛らしい感じの内装のこのカフェは、川端さんに連れてこられたのだけれど、なかなか悪くない。
雰囲気も良いし、オシャレだし。
正直客観的に見たら、ふんわり可愛い系の川端さん以外の男二人と私には、場違いな気がしないでもないけど。