偏食系男子のススメ【完】





「……二人、付き合ってんの?」




パンケーキを半分くらい食べ進めたところで、それまで黙っていた斜め前に座る翔くんが不意に口を開いた。




「……ふひゃひっへ?」


「あーちん! 口に食べ物入れて喋るのはマナー違反だよお!」




慌てて私に紙ナプキンを差し出す川端さんに注意されてしまう。世も末だ。


それを有難く受け取ってから、私に口出しするなんて生意気娘め、と彼女のおでこにチョップすれば、ひどい! と叫ばれた。




「……で、二人って?」




川端さんを無視して大人しく口を拭いながら、その中身を飲みこんで、また訊く。


急いで喉に通したから、なんか損した気分。翔くん弁償しろ。




「……藤島と早川」


「はあ!? やめてよ翔くん、それ、私が川端さんと高校卒業後も仲良くしていることくらい有り得ないんだけど!」


「……じゃあ大分有り得なさそうだな」


「待って!? 翔ちゃんもあーちんも酷くない!?」




ぎゃんぎゃん喚く川端さん超ウザい。



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