偏食系男子のススメ【完】
隣に、偏食系男子




それから一週間が経った。



席が隣になってからほぼ毎日続いていた早川からの告白は全くなくなり、遂に昨日なんかは一言も喋らなかった。


ていうかむしろ、気のせいじゃなければ避けられてる。ような気もする。



反対に、遠くの席でボス猿と楽しそうに話している姿を見ることが増えて。


それを無性に腹立たしく思っている自分への不信感が募るばかりだ。




「あ」




――って思っていたそばから、玄関で遭遇してしまった。


私は教室の奥の席になってからほぼ席を立たないから、こんな風に至近距離にいるのも久しぶりだ。



こっちに気付いてあからさまに驚いたような顔をする早川に何故かちょっと緊張する。




「おはよ藤島」


「……おはよう」




無視すればよかったのかもしれない。



けど、前とあまりにも変わらずに笑顔で挨拶してきた早川にちょっと拍子抜けして、思わず返してしまったのだ。



昨日一日喋らなかっただけで、こんなに緊張することじゃないのに。


なんだか安心してしまう。



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