偏食系男子のススメ【完】
――だけど世の中には不思議なことが多いもんで。
こんな変人、というよりかは変態なのに、女子からの人気は凄まじいものらしい。興味ないけど。
確かに鼻の筋が通っていて、サラサラの茶髪はよく似合っているし、できものひとつない綺麗な肌を見れば、分かる気がしなくもない。関係ないけど。
その上、頭も運動神経も良いっていうんだから、そりゃあモテるわって感じ。知らんけど。
「……どうしたの藤島、俺のことそんなに見詰めちゃって、照れるじゃん」
「誰が見詰めるか……! これは睨んでるっていうの!」
バカじゃないのバカじゃないの。
無駄に爽やかに笑う早川をきつく睨んで、すぐに顔をそらした。
――それなのにどういうわけか、彼は私のことを好きらしい。
こればっかりはどうでもよくない。はっきり言って迷惑だからやめてほしい。
おかげで私は、早川ファンであるクラスのボス猿的な存在の女子にめちゃくちゃ嫌われて、クラスで孤立している。
それに負い目を感じているらしい早川は、たまに思い立ったようにジュースを奢ってくれるから結果オーライだけど。