偏食系男子のススメ【完】
「だってきらりのクラスにあーちんがいないんだもん!」
「当たり前でしょうが。私以外に寄生する相手探せ、速やかに」
「あーちん、きらりに寄生されてると思ってたの!?」
あーうるさい。耳が痛い。
川端さんのクラスは童話カフェをやるらしく、赤ずきんの格好をした彼女が衣装を自慢しにきたのだ。
特に見たくもないし、私に見せて満足したなら自分のクラスにさっさと帰れ。
川端さんのことだ。どうせ友達もいなくて、衣装を言い訳に私のところに居座るつもりなのだろう。
いつもは高い位置でのツインテールが、頭巾を被ったために低い位置で結われていて、引っこ抜いてやろうかとも思ったけど、面倒くさくて溜息を吐いた。
翔くん迎えに来てくれないかなー、この女。
「学校祭当日はきらりと一緒に回ろうね?」
「は!? 嫌に決まってんじゃん、勘弁してよ!」
「ええええええ! なんで!? あーちんきらり以外に友達いないじゃん!」
「私は一人で回りたいの。あんたも友達じゃないから」
と言いつつ、去年も同じ会話をしたけど川端さんは私に付きまとうから、きっと一緒に回ることになるんだろうな。やだな。