偏食系男子のススメ【完】




***




次の日学校に行けば、物凄い剣幕のボス猿に鬼の形相で睨まれた。


きもーい、と鳥肌のたった腕をさすっていれば、ボス猿は思い切りに眉を顰めている。



バカな子ほど可愛いって言うけれど、猿には当てはまらないみたい。全然可愛く見えない。



教科書を捨てられたり足を引っ掛けられたり、嫌がらせされるかなと思って警戒していたけれど、特に何もないまま放課後になった。


もしなんかされたら倍にして返すぞってわくわくするくらいには期待していたから、ちょっと残念。




「早川、委員会ってどこでやるんだっけ」


「3階講義室だけど……、え、珍しいな、藤島出んの?」


「気が向いたから」




珍しいとは失礼な奴だな。私まだ5回しかサボったことないのに。



今日は劇の練習で体育館が使える日で、役者は本番に近い演出で練習ができる。


もちろんボス猿も来るので、顔を合わせるのが面倒だからだ。昨日の今日だし。



< 51 / 310 >

この作品をシェア

pagetop