偏食系男子のススメ【完】
「あーあ、藤島手強いな……。その分燃えるけど」
「ここにマッチかライターでもあれば喜んで燃やしてあげるんだけどね? あんたのこと」
「その発言に萌える」
「いい加減うるさい、勝手に燃えてろ変態!」
あーウザい。もういいや。
思って、自分で電気をつけるべくドアのすぐ横のスイッチに手を伸ばした。
早川の方が近いんだからさっさと動いてくれればよかったのに。
「……藤島は、俺のことどう思ってるわけ?」
のに、手首を掴まれて、教室に明かりを灯すことは叶わなかった。
「はあ? 触んなまじ汚い」
「汚……って! ……いや違う、そうじゃなくて、俺のことどう思ってんのかって話!」
「どうも思ってないっつーの! キモイ変人って認識くらいだ死ね!」
自由のある左手で、早川の手を外そうとその腕に爪を立ててやるけれど、びくともしない。
急になんだっていうんだ。私の許可なく私に触るなよ……!
さらに力を強くするけれど、眉ひとつ寄せない早川の余裕な表情に内心少し焦った。