偏食系男子のススメ【完】
「……何してたの?」
なんか嫌な予感がして訊けば、びくっとその肩が跳ねて、私の不安は余計に募る。
「……べ、別に、あんたに関係ないじゃん……!」
「ほんとに? ほんとに私に関係ない?」
「……っ」
絶対なんかあんだろ。わかりやすすぎる。
嫌な予感。私のそれは大体の確率で外れないから嫌になる。
一向にこちらを見ないボス猿が、唇を噛んで俯いた。
さっきはウザいくらい強気だったのに急にしおらしく黙るから、返事を待たないまま彼女の元まで小走りで寄って、がっちり頭を掴んで無理矢理こっちを見させる。
「な、なに……す……っ」
「藤島!?」
私がこいつを殴るとでも思ったのか、早川が慌てて私の腕を掴んだ。
失礼な奴だな。このおしとやか代表みたいな私が、暴力なんて野蛮な真似するわけないだろうが。